⸻小児SAS=小児睡眠時無呼吸症候群⸻
よく寝る子なのに、なぜ学校で居眠り?
よく寝る子だったはずが…
「うちの子、よく寝てるはずなのに、なぜか学校で居眠りしちゃう…」
最初はそんな、ちょっとした違和感から始まりました。
けいは、のび太くん並みに寝るのが得意。いつでもどこでも何分でも。
夜は20時半頃にパタンと就寝、朝は5時半に1人で起きて、リビングで自由時間。
母(=私)の方が完全にお寝坊さん(笑)
こんなに早寝早起きなのに、なぜか1時間目や2時間目にウトウト…
5時間目・6時間目は毎日のように眠たそうで、ノートを開き、鉛筆を持ったまま、まるで勉強中のような姿勢で眠るという高等テクニックまで身につけていたようです。
(先生も気づかないほど自然なんだとか…)
まだ小さいから?疲れやすい体質?
低学年のうちは「体力がつけばそのうち居眠りしなくなるかな」と思っていました。
また、けいは人混みや音にも敏感なので、出かけるとすぐ疲れてしまうのも「ASDの特性の一つかな」と感じていました。
でも、ある家族旅行でその「疲れやすさ」が、ちょっと気になる出来事に…
家族旅行で見えた“電池切れ”
USJで念願のマリオの世界を満喫した後、けいの様子が急変。マリオの世界の出入り口の道の真ん中で座り込んでしまい、そのまま電池切れ…
慌てて隅へ誘導し、縁石に座って寝てしまう息子を見て「こんなに疲れてるの?」とちょっと不安に。
翌日も、ホテルから遊覧船に乗って海遊館へ向かっただけで、「疲れた…」とお土産屋さんのベンチで眠ってしまいました。
ジェイ&まるさんは先に水族館内へ。
20分ほど寝かせた後、起こしてみると…まさかのフル回復!
元気いっぱいで海遊館を楽しんでいました。
小さい頃からあった「いびき」は見逃せないサインだった?
思い返せば、小さい頃からけいには寝息というか、いびきのような音がありました。
「子どももいびきするんだな〜」「少し太っていびきの音も大きくなったのかな…」
そんなふうに思っていて、あまり深く考えていませんでした。
でも、ある旅行中の夜、家族全員で寝ていたときのこと。
夫(まるさん)がポツリとひと言。
「……え?今、息止まってなかった?」
その一言で、一気に不安モードにスイッチが入りました。
重なっていく“気づき”
いびきが気になり始めた頃、ちょうど主治医の診察があり、「無呼吸かもしれない」と相談。
そこで、家の近くにある睡眠外来を紹介されました。
さらにその頃、なぜか鼻血が多くて耳鼻科を受診すると
「アデノイドが大きいね。無呼吸はない?」とドクターに言われ、またドキリ。
さらにタイミングを合わせたかのように、学校の耳鼻科健診で「扁桃腺肥大」にチェックが入り、プリントを持ち帰ってくる息子…。
もはや偶然とは思えず、睡眠外来の受診を急ぎました。
耳鼻科から紹介された大きな病院では、扁桃腺とアデノイドの除去手術をすすめられ、日程も決まりました。
その一方で、睡眠外来でも診察が進み、まずは簡易検査→本検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)へ。
「重症の小児睡眠時無呼吸症候群(SAS)」…診断の瞬間
そして診断されたのは、
「重症の小児睡眠時無呼吸症候群(SAS)」でした。
ドクターからは、
いつ突然死してもおかしくないレベル。
心臓や肺、脳への負担もあり、
日中の疲れ、眠気、不機嫌、学習面の遅れ、成長・発達の遅れ、などに繋がっているはずです。
けいくんよく頑張っているね。すぐに治療開始をお勧めします。
と言われました。
ぇ?…死…???
眠ることが、回復ではなく、命のリスクに…??
今まで何度、私は気軽にこう言ってきただろう。
「まだちょっとしかやってないよ」
「もうちょっと体力つけなきゃね」
「もうちょっとだけ頑張ってみよう?」
「また学校で寝ちゃったの?」って。
マイペースでも、ある程度は頑張らせなきゃいけないって思って…。
本当は、眠くて眠くてどうしようもなかったかもしれない。
体が重くて、ぼーっとして、座っているだけで精一杯だったのかもしれない。
なのに、私は「やればできる」と信じて、無理をさせていたのかもしれない。
実は毎晩、無呼吸と酸素不足で疲れが取れず、朝からまた新しい一日を精一杯頑張っていたなんて。
私が思っていた何倍も、ずっと前から頑張っていたんだね…
違和感は大切なサインかもしれない
いびき、疲れやすさ、日中の眠気…。
どれも「気にしすぎかな?」「そんな子もいるよね」と軽く受け流しそうになっていたけれど、今思えばそれはどれも大切なサインだったのだと気づきました。
私のように、「もしかして…?いや、でも…」と迷っている方がいたら、ぜひ一度専門機関で相談してみてほしいと思います。
それまで私は、けいの「電池切れ」や「疲れやすさ」は、
発達特性や感覚過敏からくるものだと、自然に思い込んでいました。
人混みや音が苦手 → 刺激に疲れて眠くなる
ASDの診断もあるし、そういう子なのかなって。
でも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という診断を受けたことで、 “それだけじゃなかったかもしれない” という新しい視点が生まれました。
感覚の特性はもちろんあるけれど、
もしかすると今まで「性格」や「特性」だと思っていた“困りごと”の一部は、
睡眠の質の低さから来ていたのかもしれない。
そう気づけたとき、少しホッとした気持ちと、
「もっと早く知っていれば」という悔しさが、入り混じりました。
わが家の経験が、誰かのヒントになりますように
同じように「なんだか気になる」「ちょっとおかしいかも」と感じている方の、小さなヒントになれたら嬉しいです。
専門家ではありませんが、検索魔+心配性の母として、
これからも少しずつ、わが家の体験を記録していこうと思います。
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